外傷
外傷

外傷とは、転倒、交通事故、スポーツ、労働災害などによって体に生じたけがのことです。傷そのものだけでなく、骨折、脱臼、靱帯損傷、腱損傷、神経損傷などを伴うことがあります。
整形外科では、外傷によって損なわれた骨・関節・筋肉・腱・靱帯・神経などの運動器の機能を回復させることを主な目的として治療を行います。
医療現場では、傷の深さや清潔度によって以下のように重症度を分類し、治療方針を決定します。
軽度(浅在性)
皮膚(表皮・真皮)にとどまる傷。
重度(深在性)
皮膚を突き抜け、皮下脂肪、筋肉、腱、骨にまで達する傷。
清潔創
手術室で切った傷など、細菌がほとんどいない傷。
汚染創
土、アスファルト、錆びた鉄、動物の唾液などが付着した、感染リスクが非常に高い傷。
傷ができてから完全に治るまでには、体の中で主に3つのステージが順に進行します。
炎症期(当日から数日)
傷口を塞ぐために血が固まり、その後、体内の細胞(白血球など)が細菌や壊れた組織を掃除します。傷口が赤く腫れ、ズキズキ痛む時期です。
増殖期(数日から数週間)
傷口の掃除が終わると、コラーゲンなどが作られて新しい組織(肉芽)が育ち、皮膚(表皮)が再生して傷口が閉じます。
成熟期(数週間から数ヶ月、ときには数年)
傷口は閉じましたが、まだ完成ではありません。赤く盛り上がっていた傷痕が、時間をかけて徐々に平らになり、白っぽく目立たない組織へと変化していきます。
しっかり洗う(最重要)
何よりも大切なのは「水道水(流水)」で傷口をしっかりと洗うことです。泥や砂、異物を洗い流すことで、感染症のリスクを劇的に下げることができます。
(※このとき、自己判断で強い消毒液を何度も使うと、傷を治そうとする健康な細胞まで傷つけてしまい、かえって治りが遅くなることがあります)
圧迫して血を止める
清潔なガーゼやハンカチを傷口に当て、上から手でギューッと数分間、強く圧迫してください。ほとんどの出血は、この「直接圧迫止血」で止まります。
保護する
出血が落ち着いたら、市販の絆創膏や清潔なパッドで傷口を優しく覆い、乾燥や外部の刺激から守ります。
整形外科では、傷の治癒だけでなく、
ことを重視します。
そのため、外傷の診察では傷の大きさだけでなく、骨折や腱断裂、神経損傷の有無を確認することが重要です。
次のような場合は速やかに医療機関を受診してください。
これらは骨、腱、神経、血管などの重要な組織が損傷している可能性があります。
けがの程度によっては、外見上は小さな傷に見えても、その奥で骨や腱、神経が損傷していることがあります。適切な時期に診断・治療を受けることで、後遺症を減らし、運動機能の回復や社会復帰につなげることができます。
傷口を消毒すると傷口を治そうとする細胞を破壊してしまうため傷の治りが遅くなります。きれいな流水(水道水でOKです)で傷をしっかり洗ってください。
傷口は乾燥させると傷口を治す細胞が働けなくなるため傷口を潤った状態に保つハイドロコロイド製剤は傷口の治癒を早めてくれます。
ただし汚れた傷口や化膿した傷口に使うと感染が悪化する場合があります。傷口の汚れがひどい場合や、周りが赤く腫れたり、膿が出ている場合は医療機関を受診して診察医の指示を仰いでください。
浅い擦り傷などはご自身でも治療が可能だと思いますが、深い傷や汚れのひどい傷などは医療機関にかかってください。特に縫合などが必要な深い傷の場合は、ケガをしてから6時間以内に対応しないと感染などを合併し治療が難しくなってしまいます。
できれば傷口をよく洗ってからできるだけ早く医療機関を受診してください。
もちろん6時間を過ぎても、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。
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